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イベント報告
 ソフトウェアテストシンポジウム 2011 九州

2011年11月25日(金) 於 福岡システムLSI総合開発センター

ソフトウェアテストシンポジウム 2011 九州
~テスト仲間を増やそう~

2011年最後のJaSSTが九州福岡で開催される事となった。
JaSST九州は毎年九州各地で開催されており今回で開催5回目となる。

午前は、ニフティ加瀬正樹氏によるチュートリアル「実践!CEGTestで原因結果グラフを作ってみよう」が開催された。
まずは、原因結果グラフの解説が行われ、「CEGTest」(セグテストと読む)というWEBブラウザを使った描画ツールを使い、実際に原因結果グラフを作る演習を行った。
「CEGTest」のデモを行いながらの解説はわかりやすく、原因結果グラフをその場で見直すことが出来たので、参加者も熱心に取り組んでいたと思う。

午後に入り、西日本旅客鉄道(JR西日本)尾縄大輔氏による基調講演「山陽新幹線の安心・信頼と、九州新幹線全線開業への対応について」が行われた。
最初に、山陽新幹線の概要として、新幹線の法律上の定義・特徴、山陽新幹線の高速運転を支えるシステム、ATC(自動列車制御装置)・運行管理システム(COMTRAC)の説明、安全運行に求められる事が紹介された。
次に、安心信頼の確保、リスクアセスメントに基づく安全マネジメントの確立、改善の具体例、防災対策、基本動作の徹底とヒューマンエラー防止が紹介された。
最後に、九州新幹線全線開業への対応について、JR西日本とJR九州との相違システム間での運行管理、博多駅改良工事のリスク管理とスケジュール進行、開業前日に発生した東日本大震災による大幅な列車乱れと運行調整が難航した事が紹介された。
システムのフェールセーフ、リスクアセスメントに基づく安全マネジメント、ヒューマンエラーとコミュニケーションの話は、ソフトウェア開発においても重要な事であり、改めて重要性が気づかされた事をありがたく思う。
80分という講演時間が短く感じられる程充実した内容であった。

ポスター発表は、チュートリアル後から会場後方にて確認する事が出来るようになっており、基調講演後にプレゼンテーションも行われた。
発表者は大学関係者の方が多く、プレゼンテーション時に「ポスター発表の場で情報・意見を聞きたい」と話していた。
シンポジウムの学生と社会人との交流、産と学の接点を感じる事が出来た。

コミュニティー発表も行われ、「福岡から世界へ」「福岡から世界一」といったフレーズが多く聞かれたのが印象的であった。
九州地区のソフトウェアに対する盛り上がりが強く感じられた。

シンポジウムの締めは、日本HP湯本剛氏による招待講演「テスト自動化の前に押さえておきたい3つのポイント」が行われた。
テスト自動化の目的、テスト開発プロセス、自動テストとアプリケーションの開発相乗効果を押さえたい3つのポイントとし、手戻りコストの削減、自動テスト開発プロセスの重要性、アプリ開発がテストを意識する必要性を説明されていた。

全体を通して、「テスト仲間を増やそう」というテーマの通り、チュートリアル、基調講演、ポスター発表、招待講演、そしてコミュニティー紹介と幅広い話題で興味を持ちやすい工夫がされており、聴講者は飽きる事無く講演に聞き入る事が出来たと思う。

(記:藤田 将志)

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