2023年10月18日、ASTER設立時より17年の長きにわたり理事長を務めた西康晴氏が、急逝されました。
西氏は、JaSST東京共同実行委員長、地域JaSSTのアドバイザ、JSTQB運営委員長、テスト設計コンテスト審査委員長も務められ、日本のソフトウェアテスト技術の振興にご尽力されました。
特定非営利活動法人(NPO法人)ソフトウェアテスト技術振興協会(ASTER:Association of Software Test EngineeRing)を2006年4月に設立しました。 ASTERは、ソフトウェアテストシンポジウム(JaSST)をはじめとする、ソフトウェア品質向上に関する教育や調査研究、普及振興事業を行います。 これらの事業を通して、ソフトウェア品質向上に関する社会教育の推進および専門能力の開発を実現します。 最終的には、社会全体で品質が高いソフトウェアの流通と活用がなされることで高度情報化社会の発展に寄与することを目的としています。
JaSST(ソフトウェアテストシンポジウム)の計画を始めてから、4年が経ちました。その間も情報システムの社会に果たす役割がますます重要になり、それらを動かすソフトウェアは多様で複雑になり続けています。 そのような状況の中、ソフトウェアに起因する品質事故は後を絶ちません。日々、新聞等のメディアで報道されるさまざまな分野のソフトウェアの不具合に心を痛めていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。 JaSSTは、ソフトウェアテストだけでなく、情報システムやネットワークセキュリティを含めたテスト技術に対する認識を高めることで、日本のソフトウェア産業に微力ながら一定の貢献をしたと思っております。 それでもまだ、安心して社会生活を営むには不足だというのが、残念ながら日本の現状と言わざるをえません。
JaSSTの活動を通して、私たちはJaSSTだけでなく、ソフトウェアの品質向上に役立ついろいろな活動が必要であるとの認識に至り、 日本のソフトウェア産業に対して貢献すべくNPO法人ASTER(ソフトウェアテスト技術振興協会)を設立しました。ASTERでは、ソフトウェアテストをソフトウェア品質向上の主要な技術としてとらえています。 そこで、私たちは、ソフトウェアテスト技術に関し、様々な側面で活動していきたいと考えています。例えば、(1)ソフトウェアテストに関する認識をより高めるためにJaSSTをさまざまな地域で開催、 (2) ソフトウェアテストの専門家育成のために基本的なテスト技術に関するセミナーの開催および支援、 (3)ソフトウェアテストに関する多様な考え方を導入するために海外のベストプラクティスの紹介、 (4) ソフトウェアテスト技術の発展を目指した先端的なテストの技術・プロセス・改善モデルなどの技術交換、などを行っていきたいと考えています。
ソフトウェアの開発現場が、より効果的なテストをより効率的により楽しく進められるようになることで、ソフトウェアの品質が向上し、安心して暮らせる世の中になると期待しています。 そのために、ASTERは現場のエンジニアの皆さんのために設立された団体です。ぜひ現場の皆さんの声や希望、不満などをどんどんお寄せください。 開発現場のため、安心できる社会のため、力を合わせて頑張っていく所存です。どうかよろしくお願いいたします。