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Test.SSF:
 SSFに基づくテスト技術スキルフレームワーク

Test.SSF

2012年12月14日
特定非営利活動法人 ソフトウェアテスト技術振興協会
一般社団法人 IT検証産業協会

特定非営利活動法人 ソフトウェアテスト技術振興協会と一般社団法人 IT検証産業協会では、「SSFに基づくテスト技術スキルフレームワーク(以後は、Test.SSFとします)」として、2011年8月30日にβ版を公開していたスキル基準の正式版(Version 1.0)に加え、キャリア基準のβ版をTest.SSFのを、最新版として2012年12月14日に公開しました。

Test.SSFは、日本のソフトウェア品質向上において重要な役割を担うテストの技術力強化を目的とし、ソフトウェアテストに関する、最適な人材育成や人材の有効活用を実現するための指標や仕組みを規定するものです。

Test.SSFの策定にあたっては、テスト技術を体系的に整理するために独立行政法人 情報処理推進機構が策定した組込みスキル標準(ETSS)のフレームワークを用い、更に組込み領域やエンタープライズ領域といったドメインに依存しないよう抽象化を行いました。このフレームワークはSSF(スキル標準フレームワーク: Skill Standards Framework)と呼ばれ、Test.SSFという名称はこのSSFを用いていることを意味しています。

スキル標準は、当該分野の技術を体系的に整理するためのフレームワークである「スキル基準」、職種を定義した「キャリア基準」、人材育成に関するガイドの「教育研修基準」で構成されますが、Test.SSFは「スキル基準」と「キャリア基準」の策定を当面の目標としています。

今回公開するTest.SSF「スキル基準(Version 1.0)」は、テスト技術に関する「開発技術」「管理技術」「技術要素」の3つのスキルカテゴリの検討結果をまとめ、ソフトウェアテスト実施時に使用する技術をテストアクティビティに沿って体系的に整理したものです。

「キャリア基準(β版)」は、ソフトウェアテストに関する主な職種/専門分野と、その各々に求められるスキルを明示したもので、共通の枠組み(キャリア・フレームワーク)をもちいて、各職種/専門分野を表現しています。職種/専門分野についての業界横断的な共通の名称として使われることを意図するとともに、ソフトウェアテスト分野における人材育成や人材活用を実現するための"ものさし"として有効な指標となるように策定しています。

なお、Test.SSFは2010年1月28日に開催されたソフトウェアテストシンポジウム2010東京(JaSST'10東京)で発表していますので、Test.SSFの全体構成などは、JaSST'10東京のWebサイトで公開されているテストスキル標準*)の文書も参考にしてください。

* 参考: https://jasst.jp/archives/jasst10e.html#project1

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「Test.SSFの公開に寄せて」

日本のソフトウェアテストの技術は、世界に対して誇れるものでしょうか。日本のソフトウェアテストの産業は、世界に対して競争力を持つものでしょうか。私たちASTER(ソフトウェアテスト技術振興協会)とIVIA(IT検証産業協会)は、日本のソフトウェアテストの現状に危機感を持ちつつ、その一方で明るい希望を持っています。多くの日本のソフトウェアテストのエンジニアは、自分の技術を他人に説明することができません。すなわち、技術が低いように思えます。これが危機感の源泉です。一方、一部の日本のソフトウェアテストのエンジニアは、他人に説明こそできないものの、豊富な経験と鋭い洞察力を基にした質の高いテストを行っています。すなわち、高い技術を持っています。これが希望の源です。

日本のソフトウェアテストの産業は、これからどこへ向かっていくのでしょうか。技術の高さを説明できないまま、顧客に単価をダンピングされて有能な人財に去られ、壊滅していくのでしょうか。それとも、技術の高さをアピールして顧客に高い付加価値を提供し、同時に高い技術をベースラインとして継続的な技術の高度化を行い世界に冠たる産業に成長していくのでしょうか。

我々は分岐点に立っています。いま行動を起こさなければ、産業は壊滅していくでしょう。我々は、座して待つわけにはいきません。いま必要なことは何か。いま行うべきことは何か。いますぐに、行動しなくてはなりません。その一つのアプローチが、Test.SSFです。Test.SSFは、テストのスキル、すなわち実践的なスキルの高さを示すためのフレームワークです。テストのスキルが高い組織は、Test.SSFを用いることでスキルの高さを明示することができるようになります。テストのスキルが高いとは言えない組織は、Test.SSFを用いることでスキルを向上する目標を明確に設定し努力を始めることができるようになります。顧客組織は、より高いスキルを持つ組織に仕事を依頼することができるようになります。

Test.SSFは、日本で駆使されている高いテスト技術をベンチマークし、説明可能に致しました。そのため、皆さんの組織では耳慣れない概念や技術用語、工程などがあるかもしれません。大事なことはTest.SSFに自組織を合わせるのではなく、Test.SSFを用いて自組織に眠っている高い技術を掘り出し育てることです。ASTERとIVIAの願いは、Test.SSFを用いて自分たちを鍛える組織が増え、日本のソフトウェアテスト産業が世界に冠たる存在に成長していくことです。Test.SSFを用いてソフトウェアテストエンジニアが高い技術を持っていることに気づき、誇りを持って働けるようになることです。ぜひTest.SSFを用いて自分たちを鍛え、日本のソフトウェアテスト産業を世界に羽ばたかせてください。ぜひソフトウェアテストエンジニアが誇りを持って働けるようにして下さい。ASTERとIVIAはTest.SSFという活動を通して微力ながらも尽力してきたいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

2011年7月 ASTER理事長 西康晴

「SSFに基づくテスト技術スキルフレームワーク」
開発技術スキルカテゴリ
(TestSSF_Skill_Dev_20121214.xls)
管理技術スキルカテゴリ
(TestSSF_Skill_Mgt_20121214.xls)

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詳細・お問い合わせ

本件に関するお問い合わせ先

特定非営利活動法人 ソフトウェアテスト技術振興協会
 E-mail: query@aster.or.jp

一般社団法人 IT検証産業協会
 E-mail: info@ivia.or.jp

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